暗号通貨ウォレットサービスを提供するBitGoが暗号通貨カストディアンの認可を受ける
2018.09.27
BCHNews編集部
こんにちは、BCHNews編集部です。
13日、アメリカの暗号通貨ウォレットとブロックチェーンセキュリティーファームであるBitGoが、South Dakota Division of Bankingから暗号通貨カストディアン認可を受けたことが明らかになりました。
これによりBitGOは、唯一認可された暗号通貨カストディアン企業となりました。
カストディアンとは何か?
そもそも、カストディアンとは一体なんなのでしょうか?
Custodianは元々以下の意味を持つ証券用語です。
英語表記はCustodian。投資家のために証券を保護預りする保管機関のこと。
例えば、日本で外国証券を購入した場合に、その証券そのものを日本に持ってくるわけではなく、現地の保管機関に預かってもらう。引用元:野村證券-証券用語解説集
もともとの形であるCustodyは、保護・保護義務や管理などの意味を持っています。
つまり、Custodianは証券の(代理)保護者であると言えます。
よって、BitGoが今回認可された暗号通貨カストディアンとはユーザーの代わりに暗号通貨の管理を行う機関だと言えます。
さらに言えば、今回BitGoは公的に認可されたため、その運営が法的・認可的に規制されます。
BitGoはどんな機関?
BitGo inc.は、カリフォルニア州パロアルトに本籍を置く、機関向けの暗号通貨投資サービス、セキュリティー、コンプライアンスを提供している企業です。
2013年に業界初のマルチシグホットウォレットサービスを開始したことで有名です。
BitGoは、75種類以上の暗号通貨およびトークンを取り扱っており、その顧客基盤は世界最大の暗号化交換取引所を含み50カ国以上に及んでいます。
また、この度BitGo Trust Companyは初の暗号通貨の公認カストディアンになり、具体的には以下のサービス内容を予定しています。
- 銀行レベルの100%コールドストレージ技術
- 75以上のコインとトークンのサポート
- 機関レベルのポリシー管理
- マルチユーザーアカウント
- 素早い顧客データなどの確認
- 年中無休のサポート
また、財務監査、Know Your Customer(KYC)と、マネーロンダリングルールを遵守し、毎月提出すると報じられています。
なぜ認可を取る必要があったのか?
先述しましたが、公的に認可されたということは、公的に規制を受けるということです。
暗号通貨カストディアン企業の中で、この規制を受けている企業はBitGoただ一社ですし、ほとんどの暗号通貨企業では必要とされていません。
では、なぜBitGoは今回認可を得たのでしょうか?
これには昨今Bitcoinの盗難による、投資家たちの間に広がる高額の暗号通貨をどれだけ安全な場所に秘密鍵を保管するかという悩みが関係してきます。
小規模な個人投資家などは、コールドストレージと呼ばれる、物理的に(比較的)安全に管理できる方法で管理を行うことができますが、ファミリーオフィスやヘッジファンドなど大規模体制の場合ではそうもいきません。
証券取引委員会は、このようなプライベートファンドに対し、銀行やその他の規制されている1億5000万ドル以上の資産を保有するサードパーティーを使用するように要求しています。
したがって、今回BitGoが公的な認可を得たことは、このようなファミリーオフィスやヘッジファンドなどに対して、暗号通貨資産を安全に保有する新しい選択肢の提供に繋がります。
実際、BitGoの共同出資者でありCEOでもあるMike Belshe氏は以下のように発言しています。
Hedge funds need it, family offices need it, they can’t participate in digital currency until they have a place to store it that’s regulated.
引用元:CNBC-Companies race to solve bitcoin’s security problem despite slumping prices
[以下意訳]
“ヘッジファンドも、ファミリーオフィスも、我々を必要としています。
彼らは、公的に規制された暗号通貨の保管場所を得るまでは取引に参加できないからです。”
Belshe氏は、BitGoが最終的に暗号通貨のブローカーディーラーになると見ているとも発言していますが、実際の予定などについてはまだ公表されていません。
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