Bitcoin Files Protocol(BFP) – BitcoinCashを利用したファイルストレージシステム
2018.10.17
BCHNews編集部
こんにちは、BCHNews編集部です。
先日、Kames Cramer氏がyours.orgに“Permissionless file uploads with Bitcoin Files Protocol (BFP)”と題する記事を投稿し、Simple Ledger Protocol(SLP)開発者によって、Bitcoin Files Protocol(BFP)と呼ばれるプロトコルが作られたことを発表しました。
Simple Ledger Protocol(SLP)は、BitcoinCashのブロックチェーン上にトークンを発行するためのプロトコルですが、これに、Bitcoin Files Protocol(BFP)というファイルのアップロードに関するプロトコルが追加された形となります。
Bitcoin Files Protocol(BFP)では、Bitcoin Cashのブロックチェーンに最大5KBのファイルをアップロードおよびダウンロードすることができます。
以下、Simple Ledger Protocol(SLP)と今回追加されたBitcoin Files Protocol(BFP)について簡単に紹介します。
Simple Ledger Protocol(SLP)とは
SLPは、BitcoinCashのブロックチェーン上にセキュアなトークンを発行するための、新しい標準プロトコルです。
SLPは、簡単にトークンを発行、使用するために必要な全てを備え、以下の特徴があるとしています。
- SPV Friendly
軽量ウォレットをサポートしている唯一のBCHトークンシステム。 - Simple
他のトークンシステムとは異なり理解しやすく信頼できる。 - No Native Token
多くのトークンプロトコルはトークンを使用するために、そのプロトコル独自のコインをあらかじめ手に入れる必要があるが、SLPではその必要がない。 - Flexible Issuance
発行量の固定、一回のみ発行、複数回発行など様々な発行の仕方を選択できる。 - Extensible
SLPプロトコルは、異なるタイプのトークンをサポートするために拡張することができる。 - On Chain
全てのトランザクションは誰でも確認できるブロックチェーン上に保存される。 - Robust
制限されたコンセンサスのセットは、システムを信頼できるものとし、独自のアドレスフォーマットは、トークンの紛失を防ぐ。 - Scriptable
マルチシグアドレスや他のBitcoinスクリプトの機能を利用できる。 - Permissionless
SLPトークンは、信頼できる第三者を必要としないP2P取引が可能。 - Free & Open Source
SLPのプロトコルおよび実装は、どちらも無料でオープンソース。
SLPの具体的な実装としてElectron Cash SLP Editionというウォレットがあり、これを利用してSLPプロトコルに従ったトークンの発行ができます。
SLPプロトコルの詳細な仕様に興味がある方は、こちらをご確認ください。
Bitcoin Files Protocol(BFP)
今回発表されたBitcoin Files Protocol(BFP)によって、最新版のElectron Cash SLP Editionでトークンを発行する際にファイルをアップロードする機能が追加されました。
以下の画像のように、トークン発行画面で、最大5KBのファイルを選択して、BitcoinCashのブロックチェーン上にアップロードすることができます。
ただし、現在のところアップロードされたファイルをダウンロードする機能は実装されておらず、今後ダウンロードツールを実装する予定とのことです。ダウンロードツールが実装されれば、ファイルをアップロードしたトランザクションのトランザクションIDを貼り付けるだけでファイルをダウンロードできるようになります。
加えて、bitcoinfiles.comというウェブサイトを立ち上げ、Webブラウザ経由でのアップロードとダウンロードを可能にする予定とのことです(2018年10月16日現在は、まだページが作られていません)。
さらに、BFPプロトコルによるアップロードとダウンロードを容易に実装できるためのJavascript SDKの開発も予定しているとのことです。
BFPプロトコルの詳細が気になる方は、こちらをご覧ください。
BFPを追加した理由
James Cramer氏はBFPのようなオンチェーンのファイルストレージが必要な理由を以下のように述べています。
All of the reliable cloud storage services typically do not permit uploads without login or having an API key. And we can’t forget that these services are centralized and can censor at will. Oh and there’s this, GitHub has depreciated anonymous gist creation.
It turns out very few cloud storage services permit anonymous file uploads with URL for sharing with others. I found a couple and none of them appeared to be reliable to me. Even if a relatively good anonymous cloud storage service was found, what about its long term reliability?
[日本語で要約]
信頼性の高いクラウドストレージサービスでは、ファイルをアップロードする際に、ログインやAPIキーを要求されるのが普通です。これらのサービスは、中央集権で検閲される可能性があることを忘れてはいけません。
一方で、匿名でのアップロードができるクラウドストレージサービスもありますが、たいていは他のユーザーと共有するためのURLがありません。いくつかはそういうサービスを見つけることができましたが、それらは信頼できるものではなかったし、現時点で信頼できたとしても長期にわたって信頼することができるでしょうか?
さいごに
本記事では、Bitcoin Files Protocol(BFP) について紹介しました。
Electron Cashは、BitcoinCash向けのウォレットとして有名ですが、Electron Cash SLP Editionでは、手軽にトークン発行ができますので、一度試してみてはいかがでしょうか。
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