NEMが採用しているProof of Importanceについて解説します

2018.10.23

BCHNews編集部

こんにちは、BCHNews編集部です。

本記事では、NEMが採用している取引検証方式、Proof of Importance(POI)とは一体どういったものなのかを、他の暗号通貨で採用されているアルゴリズムと比較しつつ、説明いたします。

POI以外の取引検証方式

POI以外の有名な取引検証方式として、Proof of Work(POW)とProof of Stake(POS)があります。

まずは、この二つの簡単な説明とデメリットを紹介します。

Proof of Work(POW)

POWでは、特定の条件を満たすハッシュ値を発見したユーザーに報酬が支払われます。計算量が多ければ多いほどブロック承認の成功率が高くなり、報酬を受け取る可能性も高くなります。
しかし、この方法では高性能な計算機器を購入できる人の方が有利であり不公平と言われることもあります。また、エネルギーを大量に必要とするため、高額の電気料金がかかる上に、環境にも害を及ぼすと言われています。

Proof of Stake(POS)

POSは、ユーザーが保有している通貨量が多いほどブロック生成の権利を得やすい仕組みです。つまり、資産が多ければ多いほどマイニング報酬を得られる確率が上がります。
しかし、この方法では裕福な人が更に裕福になるだけでなく、誰もがコインを溜め込もうとするためコインが使われなくなるというデメリットがあります。

Proof of Importance(POI)

POIでは、各アカウントにNEM経済に対する総合的な重要性を表す重要度スコア(Importance Score)が割り当てられ、重要度スコアによって報酬の量が変わります。

重要度スコアは、以下の3要素から算出されていますが、基本的にはXEMをたくさん利用してる人ほど有利になるような工夫がなされています。

  • 権利確定済XEM
  • XEM送金量
  • NCDawareRank

これら三つの要素がどのように求められるのか、一つずつ説明していきます。

1.権利確定済XEM

全てのアカウントは、XEMを、権利確定したもの(vested)、または、権利確定していないもの(unvested)のどちらかとして所有しています。
XEMを受け取った時、そのXEMは権利確定していないものとして扱われます。
XEMを送金する時は、権利確定済XEMと権利確定していないXEMの割合が変わらないように両方使用されます。

権利確定していないXEMは、1440ブロック(約1日)ごとに、10分の1ずつ権利確定したXEMになっていきます。

以下のグラフは、利益確定していない100,000XEMが、時間経過によって権利確定済XEMへ移り変わる推移を表しています。

権利確定済XEMを多く所有しているノードほど重要度が高いと評価されます。画像引用元:https://www.nem.io/wp-content/themes/nem/files/NEM_techRef.pdf

2.XEM送金量

XEM送金量は、単に送金した量を合計したものではなく、重み付けをして計算されたものがXEM送金量として扱われます。
また、全ての送金トランザクションが計算の対象になる訳ではなく、以下の条件を満たしている必要があります。

  • 1,000XEM以上の送金である
  • 最後のブロックから43,200ブロック(約30日)以内に送金が行われている
  • 送信者と受信者どちらも10,000以上の権利確定済XEMを所有している。

これらの条件を満たした送金を、送金時期に応じて重み付けし、合計したものがXEM送金量のスコアになります。

以下の画像は、10,000XEMを送金した時の重みの減少を表したグラフです。時間が経過するにしたがって重みが現象していくのがわかると思います。

XEM送金量が大きいノードほど、重要度が高いと評価されます。

画像引用元:https://www.nem.io/wp-content/themes/nem/files/NEM_techRef.pdf

3.NCDawareRank

NCDawareRankは、ノードの重要度を測り、重要度から順位付けをする指標であり、PageRankというアルゴリズムに一工夫入れて算出しています。

PageRankは、以下の通り、Googleが上位に表示するWebページを決定するアルゴリズムであり、リンクされている数が多かったり、質が高いと評価されるページからリンクされていると、重要度が高いと判断されます。

ページランク (PageRank) は、ウェブページの重要度を決定するためのアルゴリズムであり、検索エンジンのGoogleにおいて、検索語に対する適切な結果を得るために用いられている中心的な技術。

引用元:wikipedia – ページランク

NCDawareRankでは、これにXEMの送金への寄与率などを考慮に入れてノードの重要度を算出します。

NCDawareRankで算出される評価の高さも、ノードの重要度に加味されます。

 

以上、権利確定済XEM、XEM送金量、NCDawareRankについて説明しました。

これら3つの要素を用いて、重要度スコアは以下のような計算式で表されます。


normalize​1​​(v)=v/∣∣v∣∣​
v:権利確定済(vested)XEM量
σ:重み付きXEM送金トランザクション
​π̂:NCDawareRank10のスコア
χ:グラフの構造的トポロジーを考慮に入れるための重みベクトル
wo,wi:適当な定数 NEMではwo:1.25、wi:0.1337

数式を正確に把握することは簡単ではないですが、イメージとしては「権利確定済XEMの残高 + XEM送金量 +NCDawareRank」に補正をかけて、重要度を算出しているような式になっています。

詳細が気になる方は、こちらをご覧ください。

重要度スコアによって報酬の量が変わることで、POIでは、NEM経済を積極的に動かしている人が利益を得られる仕組みになっています。
これによって、POW、POSのデメリットである不公平性などの問題を軽減しているのです。

なお、POIに参加し、ハーベスティング(Bitcoinで言うところのマイニング)を行うには、少なくとも10,000以上の権利確定したXEMを所有することが必要です。

 

以上、Proof of Importance(POI)について紹介させていただきました。

さいごに

POIも、XEMの保有残高が多い裕福な人ほどスコアが高くなることには変わりなく、一長一短が存在することは確かですが、XEMを貯め込まずに利用するインセンティブを与えることで、XEMの流動性を高めてPOSの欠点を緩和しつつ、POWの電気代などの問題の解決を図っています。

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